2016年5月30日月曜日

就業規則 (厚労省モデル)  服務規律 職場のパワーハラスメントの禁止

(職場のパワーハラスメントの禁止)

職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景にした、業務の適正な範囲を超える言動により、他の労働者に精神的・身体的な苦痛を与えたり、就業環境を害するようなことをしてはならない。





補足:

【参考】
 平成24年3月に厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」が取りまとめた提言では、職場のパワーハラスメントの概念を以下のように整理しています。

 職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。

 パワーハラスメントという言葉は、上司から部下へのいじめ・嫌がらせを指して使われる場合が多いですが、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われるものもあり、こうした行為も職場のパワーハラスメントに含める必要があることから、上記では「職場内の優位性」を「職務上の地位」に限らず、人間関係や専門知識などの様々な優位性が含まれるものと整理しています。

 また、個人の受け取り方によっては、業務上必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、これらが業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワーハラスメントには当たらないと考えるべきでしょう。

 さらに、提言ではパワーハラスメントの行為類型として、以下のとおり示しています。
(典型的なものであり、すべてを網羅するものではないことに留意して下さい)

①暴行・傷害(身体的な攻撃)

②脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)

③隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)

④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)

⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)

⑥私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)






①については、業務の遂行に関係するものであっても、「業務の適正な範囲」に含まれるとすることはできません。

②と③については、業務の遂行に必要な行為であるとは通常想定できないことから、原則として「業務の適正な範囲」を超えるものと考えられます。

④から⑥までについては、業務上の適正な指導との線引きが必ずしも容易でない場合があると考えられます。こうした行為について何が「業務の適正な範囲を超える」かについては、業種や企業文化の影響を受け、また、具体的な判断については、行為が行われた状況や行為が継続的であるかどうかによっても左右される部分もあると考えられるので、各企業・職場で認識をそろえ、その範囲を明確にする取組を行うことが望まれます。

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